2018.08.08. 皆伐は続かない?

【西から皆伐は進む】

西から皆伐が進んでいるのは肌で感じている。
大手製材所を自治体が誘致したり、バイオマス発電所が林立するなど。
20年近く間伐しか実行されてこなかった状況を目の当たりにしてきた身としては、
隔世の感がある。

【皆伐進み山が荒れる心配?】

さて、その皆伐。
賛否はあるのは承知しており、無節操な皆伐は山を荒らすことになると
警鐘を鳴らす方もいらっしゃる。その心配もごもっとも、
当社にも、「伐採面積と再造林面積の乖離が大きい」と言う声が漏れ伝わってくる。
植えない選択などあるのかと思ってしまうが、どうもあるようで怖ろしい。
「天然更新」と言うものもあるので一概には言えないが...

【再造林の低コスト化の試験進む】

ここ数年、林野ではこのような状況を踏まえ、再造林の低コスト化の研究が行われており、
今よく聞くのが、「伐採と植栽の同時発注」というもの。
「コンテナ苗の活用」も見逃せない。

同時発注ではなく、「伐採・植栽同時施工」なのでは?と目を凝らしてみたが、
どうもそうではないらしい。
同時発注でどれだけコストが下がるのかは、まだ資料で確認していない。

国有林は近畿など、2000本/haに植栽密度を落とすなどの低コスト化にも取り組んで来ており、
問題意識の高さは伺える。

【再造林・保育予算の問題】

さて、これでどんどん皆伐が進むのか?
といえば、どうもそうでもないらしい。

まずは、再造林含む保育の予算の問題。
伐採面積が増えるに従って、再造林が必要な面積が増える。
同時に、保育面積は伐採面積だけ年々嵩増しになる。
それに応じて、再造林・保育の予算も増えるのか?
と言うと、どうもそうではないようで...
国有林は、伐採の収入と再造林の支出は別会計なのか、
再造林の費用は皆伐が増えてもあまり増えないのだとか。
一方、民有林も、再造林・保育の補助金予算はあまり増えないとの話。

要は、近々、保育予算はパンクし、再造林・保育が実行できなくなるらしい。

【下刈の人員さえ確保できない?】

人員確保の問題もある。
ある地域で毎年100ha再造林するとして、5年で500haの下刈保育が必要となるが、
人手不足で人員が確保できなくなっている地域も多く存在している。

シカの問題も併せて考えると、
「同時発注」のような策だけでなく、もっと根本的な検討を行わないと、
再造林など誰も真剣に取り組んでくれないだろう。

どうも皆伐は続きそうにない。