Q.疎植で大丈夫ですか?(木材生産)

A.40年近く経過した試験地の結果をご覧ください

■はじめに 試験地の概要

このページは、元京都府立大学助教授の故本城先生が府立大学大野演習林に、
約40年前に設定した密度別植栽試験地です。
先生に生前お伺いしたところでは、
3,000本/ha一律の林業手法に疑問を持って作った試験地だとのことです。

1,500本/ha~4,500本/haの試験区を作り、
除間伐処理区と無処理区も設け、
各々の試験区の上位1,000本/haの胸高直径を調査しました。

疎植で大丈夫かと言うお客さんよりの質問について本城先生に相談すると、
先生は「この現場を見に来てもらえ、そうすれば解る」と良く言われたものです。

このように植栽密度別に植栽され、長期間調査された試験地はほかに例が
なく、皆様のお役に立てればと思い掲載しています。

(先生の論文、写真を元に作成していますが、文書はハイト社社員によるものです)
1.1500本/ha植えの立派な造林地

植栽本数を減らすと、良い造林地にならないのでしょうか。
いいえ、そんなことはありません。
疎植しても適期にしっかり枝打ちを行えば、除伐・間伐抜きでも立派な山に育ちます。

京都府美山町にある京都府立大学の演習林に、
植栽密度別のスギ人工林(1967年 実生苗を植栽)の試験地があります。
この試験地の現状は次の通りです。

京都府立大学 演習林

植栽密度を異にしたスギ人工林の31年生時における
除間伐の有無による平均胸高直径
(地上1.2m)の比較(1998.11調査)
植栽密度(本/ha)  
全生立木の平均(cm)
上位1000本/haの平均(cm)
除間伐区
現在本数
(本)
無除間伐区
現在本数
(本)
除間伐区
無除間伐区
4500
18.9
2130
17.1
3090
21.6
21.6
3500
21.3
1580
18.0
2350
22.5
22.1
2500
21.8
1450
19.4
1850
23.5
23.6
1500
26.4
1020
24.9
1300
26.9
26.7

資料:元京都府立大学助教授 本城尚正氏 研究資料

(説明)

・保育の状況 

     ①植栽後、毎年1回8年連続下刈り
     ②11年後につる切りと全木の紐打ち(すそ枝切除)
     ③無除間伐区は除伐・間伐は一切行っていない
     ④17年時に上位木(主伐まで残す候補木)1500本/haを選びマーキング
     ⑤22年時にマーキング木の枝打ち(地上6mまで)


表のように上位1000本/haの
無除間伐区と間伐区の胸高直径は、
すべての同じ植栽密度において
有意差はありません。
つまり、除伐・間伐を行わなくても
結果は同じということになります。
また、2500本/ha植えの間伐区と1500本/ha植えの間伐区においては

有意に1500本/ha植えの胸高直径が太い結果となっています。


低コスト造林法(疎植造林法)
本城先生論文「一般用材生産のためのスギ人工造林技術体系の検証」